立冬 山茶始開

立冬(りっとう)

立冬とは、冬の始まりです。
秋分と冬至のちょうど中間。
昼夜の長さを基準に季節を分けるとすると、
この日から立春の前日までが冬です。

山にも里にも街にも冬の気配が感じられるようになるころ。
所々で木枯らしや初冠雪の頼りも聞かれるようになり
風もいよいよ本格的に冷たくなってきますね。

 

山茶始開(つばき はじめて ひらく)

ひらがなでは「つばきはじめてひらく」と書いていますが
山茶は椿(つばき)ではなく山茶花(サザンカ)のこと。
椿と山茶花は、同じツバキ科ツバキ属なのですが、
椿は12〜4月、山茶花は10〜12月が花期です。

椿の花は首からポトンと落ちるのに対して、
山茶花は一枚一枚はらはらと散ります。
葉も、椿にはギザギザがありませんが、
山茶花はギザギザです。
一番の違いは、
椿には芳香がありませんが、
山茶花は独特のニオイがします。

何ともややこしいですが古来中国では
ツバキ科の花を総称して「山茶」と呼んでいたようです。

 

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鮃(ひらめ)
温州みかん

透き通った白身が芸術とも思える美しさの
ひらめ。
その美味しさは昔からご馳走だったようです。
旬は9月から12月。
お刺身は極上品であり、
えんがわは食感も甘味も文句のつけようがありません♪

 

一首

おき明かす 秋の別れの 袖の露
霜こそ結べ 冬や来ぬらん

藤原俊成 新古今和歌集

起きたままで夜を明かし、
秋との別れを惜しんで袖に流した涙の露が、
今朝はもう霜となって氷っている。
冬が来たのだろうか。

え…そんなに朝冷えこんだの!?
と、現実的なことを考えてしまいますが
まさにまさに立冬前の節分に夜明かしをして
詠んだ歌ですね。

憂いを含んだ秋を吹き飛ばす程の
清冽な美しさを湛えている冬の訪れ。
霜となるほどのその冷え込みすらも
風流なものと捉えたのでしょう。

…いや、捉えざるをえないほどの寒さだったのでしょうね。