寒露 鴻雁来

寒露(かんろ)

寒露とは露(つゆ)が冷たく感じられてくるころのこと。

暦の上では秋の長雨が終わり、
いよいよ本格的な秋の始まりです。
この頃になると五穀の収穫も盛んに行われます。

露が冷たい空気と接し、霜に変わる直前で紅葉が濃くなるのだとか。
また、空気が澄んできて夜空の付きも冴え冴えと見えるころですね。

また9月9日の重陽の節句は菊の節句。
新暦のころは全く…と言って良いほどの菊のきの字もありませんが
旧暦の9月9日となりますと大変美しく咲き始めるでしょう。
旧暦の重陽の節句は10月13日。
食用菊もたくさん出ているでしょうから
花片を浮かべて一献いかがでしょう?

 

鴻雁来(がんきたる)

雁が北から渡ってくるころのこと。

その年で初めて訪れる雁を「初雁(はつかり)」と言います。
歌の世界では雁の枕詞は「遠つ人」、
どこか遠くからやってくる人、という意味合いで
「松」(=待つ)にも掛かります。

色々と調べていて「あ、そうか!」と思ったことが1つ。
「ニルスのふしぎな旅」というお話、ご存じですか?
やんちゃな少年ニルスがひょんな事から
魔法で小さくされてしまいガチョウの背中に乗って
様々な場所を旅して様々なことを学び成長するお話。
そのガチョウと一緒に旅をするのが雁なのでした。

もし、雁の隊列に一羽だけガチョウが混ざっていたら
ニルスが乗っているかも!?

 

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柳葉魚(ししゃも)
シメジ

ししゃもって柳葉魚と書くのですね〜(笑)
柳の葉っぱがししゃもになった、というアイヌの伝説が
由来となっているそうです。
産卵期でもある10月が旬とされています。
干物でお目に掛かることが殆どですが
旬であるならばお刺身も美味ですっ!本当に!

 

一首

白雲に羽うち交はし飛ぶ雁の 
数さへ見ゆる 秋の夜の月

白雲の浮かぶ空に、
翼を交えて飛んでいる雁の数までもが見えるほど
明るく美しい秋の夜の月だね。

詠み人知らず 古今集191

 

「うっわぁ〜!めっちゃくちゃ月がキレイ!」
と言う感動を、古の方々はこうして詠んだのですよね。

夏目漱石先生テイストの妄想を付け加えて

「キミみたいにね」

のひと言を付け加えて欲しいところです。
思いっきり字余りどころか
全く別の句になってしまいますが(笑)

 

 

秋分 水始涸

秋分(しゅうぶん)

1日の内で昼と夜の長さが
ぴったりと同じになるのが
春分と秋分です。

夏至が最も昼が長く夜が短い陽が極まる日、
冬至が最も昼が短く夜が長い陰が極まる日、
だとすれば、
春分と秋分は陰と陽を中和させる大事な日です。

御彼岸というのは仏教の言葉ではありますが
これは日本独自のもの。
仏教伝来前の古神道と呼ばれているような
独自森羅万象の信仰が仏教に取り入れられ
今の形となりました。

また、農耕には欠かせない日でもあり
豊作を祝い、感謝を捧げ、田の神様を祀る祭事などが
この頃に行われます。

暑さ寒さも彼岸まで。
そろそろ本格的な秋冬の準備をしてもいいのかもしれません。

 

水始涸(みず はじめて かるる)

この「みずかれる」は、
池や川の水が涸れることではありません。

「田んぼの水がなくなること」です。

田んぼの水がなくなる、ということは
稲の実りの時季、収穫期のことでもあります。

ご存じのように収穫期には黄金色に輝くに日本の稲。
以前、秋田を旅した時に一面の田を見た時に
「日本の原風景」の美しさに心を打たれ
魂が震えるのを感じました。

同時に雀との闘い(?)も始まります。
人間対…というよりは案山子対雀、という
対戦カードになるようではありますが(笑)

 

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虎河豚(とらふぐ)
銀杏(ぎんなん)

下関南泊港で行われる河豚の初せりは
その様子からも風物詩ですね。
機会があったらニュースを見てみてください♪

ふぐ刺し、ふぐちり、ヒレ酒
白子にえっとえっと…

どれもこれもウットリするような美味しさのものばかり。

お料理屋さんではなく
店頭で身欠きを購入する場合は
実が白く透き通っていて
ツヤのあるものを選びましょう♪

 

一首

稲つけば かかる吾が手を今夜もか
殿の若子が取りて嘆かむ

詠み人知らず
万葉集14巻 3459番

毎日稲をついて精米しているから
手は荒れ放題になっているの。
でもね、夜になったら、
お屋敷の若様がやってきて
手をとって、こう優しくいたわってくれるのよ。

「こんな手になって、かわいそうに…。」

 

…そぉ〜んなコト、
あるかもしれないけれど、
あるわけがないのが「現実」というものですw

「やだよぅ、この子ってば夢みたいなことばかり!」
おっかさんや、ばぁばなどの周りが笑い飛ばしながら
仕事に励んだのでしょう。

万葉のころからヲトメという生き物は
妄想だろうと何だろうと
トキメキがないと頑張れないものなのです。

 

 

秋分 蟄虫戸坏

秋分(しゅうぶん)

1日の内で昼と夜の長さが
ぴったりと同じになるのが
春分と秋分です。

夏至が最も昼が長く夜が短い陽が極まる日、
冬至が最も昼が短く夜が長い陰が極まる日、
だとすれば、
春分と秋分は陰と陽を中和させる大事な日です。

御彼岸というのは仏教の言葉ではありますが
これは日本独自のもの。
仏教伝来前の古神道と呼ばれているような
独自森羅万象の信仰が仏教に取り入れられ
今の形となりました。

また、農耕には欠かせない日でもあり
豊作を祝い、感謝を捧げ、田の神様を祀る祭事などが
この頃に行われます。

暑さ寒さも彼岸まで。
そろそろ本格的な秋冬の準備をしてもいいのかもしれません。

 

蟄虫戸坏(すごもりのむし とを とざす)

春から夏に外で活発に動いていた巣ごもりをする虫たちが、
再び土の中に潜って穴をふさぐことをいいます。
「戸を塞ぐ」と表現しているところが
なんとも人間ぽい言い方で面白いですね(笑)
春分の前の「蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)」
対になります。

虫たちの感覚は私達とはとても比べものにならないくらいに鋭く、
カブトムシ等は、あっというまに土に潜るのだそうです。

その他に潜るのはヘビもそうです。
ヘビは穴に入るとき、
どこからともなく集まってきて1つの穴に入り、
お互いに絡み合って暖をとるのだとか。
その数、数十匹を超えるものもあるそうです。
やはり低体温の冷え冷えちゃんだからなのですね。
因みに10月を過ぎて穴に入らないヘビを
「穴惑い」というそうです。

あとは、カエルも土に潜ります。
カエルは、蛇とは異なり
自然の温度環境に合わせて体温を変化させる変温動物だとか。

秋が来て涼しくなると、もう動けなくなるものの
それでも暖かい日には土から出て日光浴する場合があるそうです。
 

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秋刀魚(さんま)
里芋(さといも)

実は稲作よりも古く、
縄文時代後期ごろから日本に入ってきていた、
と言われているのが「里芋」。
「芋煮会」などの行事は豊作に感謝する
祭事でもあります。
また、お月見の際に里芋をお供えする地方があるのも
その流れを汲んでいるのかもしれません。

やっぱり煮物でほくほくと頂きたい♪

 

一首

何ばかり心づくしにながめねど 
見しに暮れぬる秋の月影

紫式部
紫式部集120番

それほど思い詰めているわけではない、と思っていたけれど
何故か涙があふれてきてしまったわ。
秋の月も暗く沈んでいるように見えるから
やはり物思いをしていたのね。

秋の夜長と言いますが
なんとなくもの悲しくなってしまう季節でもあります。

今も昔もそんな気持ちになってしまうのは
何ら変わりが無いようです。

月を眺め、ため息をつき
涙をこぼしてしまうのは
秋がさせていることなのだと思います。

 

 

秋分 雷乃声収

秋分(しゅうぶん)

1日の内で昼と夜の長さが
ぴったりと同じになるのが
春分と秋分です。

夏至が最も昼が長く夜が短い陽が極まる日、
冬至が最も昼が短く夜が長い陰が極まる日、
だとすれば、
春分と秋分は陰と陽を中和させる大事な日です。

御彼岸というのは仏教の言葉ではありますが
これは日本独自のもの。
仏教伝来前の古神道と呼ばれているような
独自森羅万象の信仰が仏教に取り入れられ
今の形となりました。

また、農耕には欠かせない日でもあり
豊作を祝い、感謝を捧げ、田の神様を祀る祭事などが
この頃に行われます。

暑さ寒さも彼岸まで。
そろそろ本格的な秋冬の準備をしてもいいのかもしれません。

 

雷乃声収(かみなり こえを おさむ)

春の、雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)と
対になっているのですが
何だかドラマチックな表現に感じます。
例えば、鰯雲現とか彼岸花咲とか、
そんな表現でも良いと思うのですが
幕引きはドラマティックに…というのも
日本ならではなのでしょうか。

この頃になると空気中の放電のエネルギーが弱くなって
夏のあの勇ましい雷鳴は殆ど聞こえなくなり
聞こえるか聞こえない位の遠雷となるのだそうです。

そして
「雷(かみなり)」は夏の季語ですが、
「稲妻(いなづま)」は秋の季語。

いかずち、ごろつき、かんなり、らいさま
様々な呼び方がありますが
いずれも稲妻は、雷の光で、稲光(いなびかり)ともいいます。
落雷した田んぼでは稲が良く育った為に
稲穂は雷に感光して実るとされ、
そこから稲の「妻」と呼ばれるようになったのだそうで
その様子は古今集にも詠われています。

 

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鯊(はぜ)
真鰈(まがれい)
松茸(まつたけ)

江戸前天ぷらの代表的なネタがハゼですね。
秋から冬にかけて大きく育ち、
秋分の頃に味がのるものを「秋分はぜ」と言うそうです。

隅田川などの屋形船などでは
釣ったハゼをその場で天ぷらにしてくるのだとか。
一度、そんなゆったりとした遊びをしてみたいものですね♪

 

一首

秋の田の穂の上を照らす稲妻の光のまにもわれや忘るる

古今集 巻11 584
詠人知らず

ほんの一瞬、秋の田の稲穂に光る稲妻の間でさえ、
私はあなたのことを忘れることが出来ましょうか…。

夏の雷のように派手に騒ぐことはないけれど
例え一瞬、夜でも美しく光る稲光は
胸の奥深くに秘め決して消えない
恋心そのものなのかもしれません。

 

 

白露 玄鳥去

白露(はくろ)

大気が冷えてきて露を結ぶころ。
ようやく残暑も落ち着いて本格的な秋の訪れます。

 

玄鳥去(つばめさる)

つばめが南に帰るころ。
夏の間に家の軒下に巣を作り、
ひなを産み育て、エサを運ぶために空を縦横無尽に
飛翔していました。
夏の青空に飛ぶつばめの姿は、夏空そのもの。

けれども、気がつくとつばめは既に去った後。
それはとてもあっけなく寂しさも感じられぬほどです。

 

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昆布
茄子

乾燥した物がずっと流通しているので
あまり旬を意識しないかもしれませんが
昆布の旬と収穫はいまごろ。
奈良時代の文献にはすでに登場しているほど
この日本では欠かせない食材です。

 

仲秋の名月

旧暦8月15日の満月は仲秋の名月。
里芋の収穫の時期でもあるので
芋名月とも呼ばれ豊作を感謝して
お芋をお供えするところもあるようです。

白露 鶺鴒鳴

1日遅れましたが。

白露(はくろ)

白露とは、待機が冷えてきて露を結ぶころのこと。
ようやく残暑がひいていき、
本格的に秋が訪れてきます。

鶺鴒鳴(せきれいなく)

水辺ではよく見られる野鳥ですが
都会では難しいかもしれません。
歩く時に尾を上下に振りながら地面を叩くような仕草は
「石たたき」と呼ばれるそうです。

また、日本書紀においては
伊弉諾さまと伊弉冉さまが契りを交わす時に
アドヴァイスをしたとのことで「恋教え鳥」とも
呼ばれるとか。

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鮑(あわび)

貝の中でも高級ご馳走食材のあわび。
旬は8月〜10月です。

お刺身にしても良し、ステーキも良し、
蒸しても良し。
珍しいところで1個に1つしか獲れない
「歯」もコリコリした珍味です。

そして今年は御遷宮。
御神饌としても大事な鮑ではありますが
何を隠そう、あの地に留まる決め手となったのは
鮑の美味しさと言われています。

鮑の美味しさは神様すら魅了するものだったのですね。